チャーガとベツリン酸
スーパーフードやサプリメント、代替医療に詳しい方であれば、チャーガの名前を聞いたことがあるでしょう。北半球原産のキノコであるチャーガは、その薬効の高さから、シベリアやアラスカでは何世代にもわたり民間療法として使用されてきました。チャーガには、免疫力を高めたり、消化を助けたり、フリーラジカルを除去して老化を防ぐなどの効果があることが証明されています。なぜ一つのキノコにこれほどの効果があるのでしょうか?
チャーガには多くの栄養素が含まれていますが、その中でも特に重要なのがベツリン酸です。ベツリン酸がいかにして健康を増進させるかを見ていきましょう。
チャーガとベツリン酸
ベツリン酸とその前駆体であるベツリンは、チャーガに多く含まれています。ベツリンはトリテルペンという化合物の一種で、さまざまな機能があります。ベツリン酸はトリテルペンの誘導体であるトリテルペノイドです。どちらもチャーガの外側の黒い部分にあり、アルコールがチャーガの潜在能力を最大限に引き出してくれるので、エキスにすると一番簡単に摂取ができます。
ベツリンは、その抗がん作用で広く知られています。臨床研究で、ベツリンの存在が腫瘍細胞を自滅させることが分かっています。さらに良いことに、ベツリンは健康な細胞を傷つけることなく、体内の癌細胞を退治できます。チャーガは、化学療法の副作用を和らげることができるという研究結果が出ていることを考えると、がんを予防するために摂取できる最高の物質の一つであると言えます。
しかし、ベツリン酸には前駆体よりもはるかに幅広い機能があります。ベツリン酸は、抗がん作用をはじめとするベツリンの効果に加えて、ヒトでは抗菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用など、さまざまな効果があります。ベツリン酸は白血球を刺激して、病気との
闘いを積極的に後押ししてくれます。
さらに、ベツリン酸の抗炎症作用は十分に立証されています。炎症は不愉快なばかりか、心臓病やその他の深刻な病気の主な原因となります。ベツリン酸は体内の炎症を和らげ、細胞が正常に機能するようにして、より深刻な病気の発症を予防します。
抗酸化物質であるベツリン酸は、チャーガにアンチエイジング効果をもたらす物質の一つです。老化の原因の一つは、体内に存在するフリーラジカルと呼ばれる浮遊粒子で、これが細胞に衝突し、細胞を傷つけることで引き起こされます。抗酸化物質は、フリーラジカルを除去し、細胞の完全性を保ち、若返らせ、臓器の機能を維持することで、フリーラジカルから守ります。ベツリン酸は、最も効き目があり、強力な抗酸化物質の一つとして知られています。
それだけでなく、ベツリン酸は血中のコレステロール値を調整することが証明されています。悪玉コレステロールが多すぎると、コレステロールの一部が血管内に浮遊して蓄積し、血流が遮断されて、心臓発作や脳卒中の原因になります。ベツリン酸を摂取すると、血中のコレステロールが分解され、コレステロールが低下することが証明されています。これは、単にコレステロールの吸収を防ぐだけの他の様々な抗コレステロール剤とは対照的です。
ベツリン酸のもう一つの大きな利点は、生体利用率の高さです。多くの栄養物質は消化器系で吸収されにくいため、人は簡単に摂取できません。そこで、チャーガの栄養を最大限に引き出すには、チャーガティーを作ったり、エキスにしたり、あるいはチャーガを茹でる必要があるのです。ベツリン酸はベツリンよりも体内に吸収されやすく、その効果をより手軽に享受できます。
ベツリン酸には抗アレルギー性や肌の弾力性の向上といった多くの効果もあることが分かっています。しかし、こうした効果の立証は科学的に十分とは言えません。他の物質と同様に、人の体には個人差があるので、人によって得られる結果が異なります。
まとめ
チャーガが世界で最も強力なスーパーフードとして知られているのには理由があります。チャーガに匹敵する栄養価と効果を持つ食品はほとんどありません。チャーガを摂取することで、病気に対する免疫システムを強化したり、消化器官を癒したり、若々しさをもたらしたりと、様々な効果が期待できます。チャーガの有益な栄養素の中には、老化、がん、アレルギー、コレステロール、その他の多くに対抗する栄養価の高いベツリン酸が含まれています。
がんとの闘病、病気に対する抵抗力の増強、季節性のアレルギーへの対処、老化の悪影響の撃退と、ベツリン酸は体を支えます。ベツリン酸やその他の栄養素がチャーガほど豊富に含まれている食品はほとんどありませんので、チャーガの使用を真剣に検討してみてはどうでしょうか。チャーガに含まれるベツリン酸を摂取すると、健康で幸福な人生に必要な栄養素の効果が実感できることでしょう。