Chaga in Russia - AlaskaChaga

ロシアにおけるチャーガ

薬用キノコや一般的な代替医療について馴染みがある方は、チャーガという名のキノコについてご存知かもしれません。チャーガは極寒の気候で収穫され、樺の木の側面に生息しています。アンチエイジング、抗病性、抗がん性の効果が発見されるにつれて、世界中で注目を浴びています。チャーガが西側諸国の消費者に伝わったのはごく最近のことですが、ロシア人は、何世代もの間、この小さな魔法のようなキノコを活用してきたのです。

チャーガは、実際に、ロシア文化の重要な要素で、がん治療から女性のアンチエイジングの方法まで、あらゆるものに使用されています。ロシアを通じて、チャーガの使用やその価値が世界中により広く知れ渡るようになりました。ロシア人がどのようにチャーガを使用しているのか、このロシアの薬の力を健康の改善につなげることができるのかについて見ていきましょう。

ロシアにおけるチャーガ

まず、チャーガを見つけることができる場所は、ロシア(およびアラスカ)だけではないということは述べておきましょう。チャーガキノコは、南はトルコから、米国大陸およびカナダまで、北半球の一帯で広く自生しています。チャーガは樺の木で自然に成長することから、樺の木が生息する場所であればどこでも見つけることができます。

しかし、チャーガが成長するには極寒の気候が必要になるため、世界の最北端に住む人々のみが、チャーガを薬として活用できるのです。暖かい気候ではチャーガの栄養価値が損なわれ、アラスカやシベリアよりも南に生息するチャーガは、食品としての価値がなくなります。チャーガが真に特別なものとなるのは、栄養価を吸収し、保てるアラスカまたはロシアの極寒の気候にさらされたときだけです。

ロシア文化におけるチャーガの重要性は、チャーガという名前の語源が「キノコ」を意味する古ロシア語の「чага」であるということによく表れています。この語そのものは、ロシアの探検家や貿易商たちが、ロシア西部のウラル山脈の原住民族であるハンティ族と接触した時にロシア語に取り込まれ、その一帯はヨーロッパとアジアとの境界線と考えられています。「чага」という語は、今日までウラル山脈で話されているコミ・ペルミャク語から来ています。

これらの人々との接触やシベリアへの拡大を通じ、チャーガはロシア全土の人々の心にゆっくりと浸透していきました。チャーガを使用していた人達として初めて文献に記された中にハンティ族の名前もあり、消化器系の健康改善にチャーガティーを飲んでいました。また、ハンティ族はチャーガをスモークしたり(これは推奨しません)、肌を落ち着かせる抗炎症性の石鹸作りに使用していました。

チャーガは、狩猟者や採集者たちによって徐々に今のロシアと呼ばれるほかの部分にも広まっていきましたが、彼らはエネルギーレベルを上げて、長期間活動できるようにチャーガを摂取していました。12世紀が近づくころには、チャーガはロシア人の間でとても広まっており、貴族階級が定期的に消費していました。キエフ大公国(近代ロシアの前段階)の大公であったウラジーミル二世モノマフは、チャーガを摂取したことが、口唇がんの消滅に役立ったと述べました。一般的に、ロシアの民間医療の書籍には、チャーガとその薬理作用に関する情報が記載されています。

人々のチャーガに対する意識が下がった後、関心は1950 年代のソビエト連邦で再燃しました。ソビエトは、チャーガがどのように作用するのかを理解した方がよいと考え、その様々な特性を試すために多くの実験を行い、長年にわたり何百万のロシア人がその特性をすでに知っていたことを確認していきました。1995 年には、ロシア科学アカデミーが公式の治療法として認めました。

しかし、1968 年までは、ロシアで愛されるチャーガがより広い世界へと知られることはありませんでした。その年、アレクサンドル・ソルジェニーツィンの小説『ガン病棟』の英語訳が、世界規模でチャーガの医療使用として注目を集めたのです。小説はソビエトのがん病棟でのソルジェニーツィンの体験に基づくもので、がん治療に対するチャーガの使用に関する記述は、西側諸国の研究者たちの興味をかき立て、より詳しく知るためにソビエト連邦への旅に出るようになりました。

研究者らは、多くのロシア人やその他のソビエトの市民が、より高価であるコーヒーの代替品としてチャーガを飲んでいるということに気づきました。また、チャーガを飲んでいる人達のがん罹患率は非常に低いということも分かり、ソビエトにある多くの診療所では、がん患者数が普通よりもはるかに少ないと言えるほどでした。それを機に西側諸国の研究者たちがチャーガの重要性を認識し始め、使用できるチャーガがアラスカにもあることが分かり、誰もがこの素晴らしいキノコを活用できるようになったのです。

今日のロシアでは、チャーガはロシア人の食生活に欠かせないものとなりました。ロシア人社会のあらゆる階層の人々がチャーガティーを定期的に摂取しているだけでなく、ロシア人女性はフェイスマスクやチャーガクリームなど、チャーガの美容製品を頻繁に使用しています。ロシア人はチャーガに免疫促進とアンチエイジングの効果があると信じており、シベリア全土に大変多く生息し、安価であることから、ロシア文化を支える大きなかなめとなっています。

まとめ

アメリカ人にとっては、チャーガは比較的新しいものかもしれませんが、ロシアの料理や医療には、何世紀もの間しっかりと浸透しています。ハンティ族とシベリア人が消化器系の薬として使い始めたチャーガ、その伝説はロシアでは風邪から癌まで、あらゆることに使える頼れる薬となるまでに成長しました。ロシア人がなぜこのキノコをこれほど大好きなのか興味がある方は、実際にチャーガをいくつか採り、ご自身で実感してみるとよいでしょう。

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